〈事業レポート〉自動運転とxR技術を活用した2つのライド型アトラクションを体験
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〈事業レポート〉自動運転とxR技術を活用した2つのライド型アトラクションを体験

観光DX推進プロジェクト

 自動運転とxRの技術で、八幡東田エリアをテーマパークに――。昨年から今年にかけ、そんな先進デジタルアトラクションを中心とする実証実験が北九州で実施されました。

 これは観光庁が主導する「これまでにない観光コンテンツやエリアマネジメントを創出・実現するデジタル技術の開発事業」の1つ「5G・自動運転・xRが創る『どこでもテーマパーク』」事業での取組です。

 豊富な観光コンテンツを擁しながら、近年は集客に悩まされていた八幡東田エリア。今回の取組は、観光産業の活性化を目指すカギとしてメディアからも注目を集めています。実際に「どこでもテーマパーク」を体験するために、八幡東田エリアにお邪魔しました。

▼地球・46億年のダイナミズムに触れる

 今回の実証実験で体験できるアトラクションは2つ。まずは地球の成り立ちとこの地域に根ざす鉄づくりのストーリーを学ぶ「鉄の道ガイディング&VRツアー」に参加しました。

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「環境ミュージアム」前に設けられた発着場から自動運転モビリティに乗り込むと、ガイドスタッフの案内によりツアーがスタート。最初に、46億年前に誕生したとされる地球の内部構造を模型で示しながら、地質や生態系がどのような変遷を経て現在の環境を形成したのか、時代に沿って解説されます。

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 モビリティは路面の状態や目の前の障害物を自動で感知しながら自律的に前進。進行ルートである460メートルの道を、地球誕生から産業革命までの46億年の歴史に見立てて進んでいきます。

 終着点は世界遺産「官営八幡製鐵所」の東田第一高炉史跡。参加者はここでモビリティを降りてVRゴーグルを装着、VRを通して製鐵所と鉄づくりの歴史を学びます。短い時間に長い歴史が凝縮されたガイディングツアーは、老若男女を問わず多くの気づきを与えてくれることでしょう。

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 続いて、日没を待って参加したのが「デジタル恐竜パーク」です。xRゴーグルを装着し、自動運転モビリティに乗り込むと、東田大通り公園内に設けられたコースに沿ってツアーがスタート。

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 現実の園内風景の中に突然、3Dホログラムによる巨大な恐竜が出現する様子は、あたかも恐竜が現代によみがえったかのよう。そのリアルな動きと相まって、ワクワクと興奮が入り混じった15分間が堪能できるはず。実際、参加者からは「怖かった!」、「もっと乗りたい」など、大満足の声が聞かれました。

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▼屋外環境ゆえのさまざまな障壁

 実証実験を終え、技術的な監修を手掛けた久留米工業大学・東大輔氏は次のように振り返ります。

「まずは、多くの方に喜んでいただき、ポジティブな反応が得られたことにほっとしています。自動運転やxRを取り入れた、これまでにないアトラクションですが、確かなニーズとポテンシャルがあることを改めて確認できました」

 その反面、新たな試みであるだけに、トラブル対策には最後まで気を抜くことができなかったと東氏は語ります。

「ライド型のアトラクションである以上、何よりも安全性を第一に考えなければなりません。そのうえで、用意されたコンテンツ(物語)に沿ってスムーズに移動できることが大前提で、屋外の環境で自動運転車両を安定的に走らせること自体が、我々にとっては大きなチャレンジでした。たとえば『鉄の道ガイディング&VRツアー』では、高速道路の高架下では位置情報が受信できず修正を要しましたし、『デジタル恐竜パーク』では夜間のアトラクションということで、センサの認識機能の調整に思いのほか苦労を強いられました」(東氏)

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 水面下での多くの苦労を乗り越え、実現にこぎつけた「どこでもテーマパーク」の実証実験。その甲斐あり、今回の取組でニーズと期待度の高さが確認されました。次のステップは事業性の検証です。

「この『どこでもテーマパーク』は、その名の通り全国どこの地域であっても、その土地ならではのアセットを生かして展開できる汎用的な仕組みです。しかし、横展開していくためには事業として成立するものでなくてはならず、お客さんが1回いくらなら支払う価値を感じていただけたか、十分にリサーチしていかなければなりません」(同)

 なお、東氏がもともとこうした自動運転モビリティの研究開発を進めてきたのは、福祉の領域に寄与する目的からとのこと。その意味でも、今回の実証実験の成果は意義のあるものでした。

「こうした移動支援の技術は、今後さまざまな可能性を秘めています。今回のような観光コンテンツへの応用だけでなく、体の不自由な方や高齢者の方の社会参加に貢献するものであり、引き続き研究と実証を続けていきたいと思います」(同)

 なお今回の実証実験では、これら2つのアトラクションに加えて、スマートフォンアプリ「AI観光コンシェルジュ」を導入。こちらは八幡東田エリアの観光スポットや飲食店等を、ユーザーの趣味嗜好に合わせてレコメンドするもので、エリア内の周遊促進効果が期待できます。

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※アプリのダウンロードはこちらから>>>https://dokodemo.events/concierge.html

 地域の活性化を目指して、最新技術を駆使した試行錯誤が続けられている八幡東田エリア。今後の動向にご注目を。

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最後に……
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