ねぶただけじゃない! 青森の個性豊かな祭事をオンラインで配信
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ねぶただけじゃない! 青森の個性豊かな祭事をオンラインで配信

 青森県の夏の風物詩といえばねぶた祭り。ところが折しものコロナ禍により、ねぶた祭りは2年連続で中止に追い込まれ、県内外の多くの人々を落胆させました。

 そこで今年7月18日と、30日から8月1日にかけ、青森県内観光団体や大手旅行会社等23団体からなる「青森オンライン魅力発信協議会」主導の下、青森県内の主要な夏まつりがオンラインで体験できる「オンライン青森夏まつり2021」が実施されました。

 実はこれも、観光庁が主導する「来訪意欲を増進させるためのオンライン技術活用事業」に採択された「青森の夏・秋・冬の多彩な魅力を発信・交流するオンライン体験イベント事業」の一環です。青森オンライン魅力発信協議会のメンバーに、今回の取組の成果と今後の展望をお聞きしました。

▼青森県の祭りをオンラインでハシゴできる!

「昨年は早い時期からねぶた祭りの中止が決まり、大きな見どころである山車を作ることすらできませんでした。そこで楽しみにしていた県民の皆さんや、お祭り関係者の皆さんを、どうにか元気づけられないかと始めたのが、オンラインで祭りを配信する試みでした」(青森オンライン魅力発信協議会・佐藤大介氏)

 そんな2020年の取組が好評を博し、観光庁の支援を受けて大きくアップデートした今年の「オンライン青森夏まつり2021」。青森4大祭り(「青森ねぶた祭」「弘前ねぷたまつり」「八戸三社大祭」「五所川原立佞武多」)の祭囃子リレーをはじめ、日本3大流し踊りに数えられる「黒石よされ踊り」や、今別町の「荒馬祭り」、むつ市「田名部祭り」、八戸市「虎舞」など、複数の祭りがオンライン技術によって視聴できる、豪華なイベントとなりました。

ねぶたにこいち

「従来であれば、日程が重なることから複数のお祭りをハシゴするのは困難で、オンラインならではの新たなメリットが創出されたとも言えます。お祭りの運営に関わる関係者からも、『初めてほかのお祭りをじっくり見ることができた』と喜びの声を頂いています」(佐藤氏)

 また、これに合わせて青森の海鮮セットや果物セット、あるいは日本酒につまみを組み合わせた乾杯セットなど、県産品のオンライン販売も実施。ほかにも視聴者参加型の跳人(※ねぶたの屋台とともに練り歩く踊り手)コンテストや、ねぶたの制作プロセスの映像中継など、リアルでのイベントとは一味違った企画が多数用意されました。

「とくに今回は、“今年こそ開催したい”という強い思いがありながら中止が決まった経緯があるため、台上げして火入れをし、お囃子とともにこうしてお披露目できたことは大きいと思います。ねぶた等の作り手側に公開の舞台を提供できたことはもちろん、その様子を見ながら涙する県民の様子から、心を揺さぶるコンテンツに仕上げられたと実感しています」(同・村松あゆみ氏)

 今回のオンラインイベントで紹介されたお祭りは9つ、出店者は計34ブースという充実の内容を実現し、視聴者は県内外を含めて延べ2万人超に達したと言います。

▼複数拠点からの同時中継で、よりインタラクティブなイベントに

 なお、オンライン中継にあたっては、複数の中継拠点が用意され、複数のZoomアカウントを開設。それぞれから発信される映像をYouTube Liveで配信する手法が採用されました。

「中継拠点が多いことから、使用ツールの選定も慎重に議論を重ねました。最終的に、Zoomが持つ双方向性と、より多くの人に映像をお届けでき、コメント機能の操作性が良好なYouTube Liveの組合わせに絞り、単に一方的に映像を流すだけのイベントにならないよう注力しています」(村松氏)

 こうした双方向性は、視聴者にとってイベントへの参加感を高める重要な配慮。たとえばイベント内で催されたクイズ大会や、モニターの前で視聴者が実際に跳ねて参加する前述の跳人コンテスト等は、お祭りの臨場感を体験できるコンテンツとして好評を得たと言います。

 また、盛況の半面、今後に向けた課題もいくつか見えてきました。

「やはり短い期間で設計しているため、細かなミスや不手際は、数えればキリがないのが実情です。もっとシンプルで分かりやすいサイト構成にして、視聴者の方が参加しやすい設計を考えなければなりませんし、ECもまだまだ伸びる余地があるでしょう。そのほか、投げ銭システムも使い方次第でもっと収益に繋げられるはずですし、出店者の皆さんの満足度を上げるために、今後改善すべき点は少なくありません」(佐藤氏)

 そう振り返る一方で、確かな手応えを感じている点も少なくありません。

「たとえば今回、東京湾上に浮かぶ屋形船にねぶたを乗せ、囃子を奏でる様子を配信し、大きな盛り上がりを得ました。成功するのか不安もありましたが、チャレンジしてみてよかったと思います。こうした“やってみるべし”の精神は今後も大切にしていきたいですね」(同)

 こうしたPDCAサイクルを重視しているのも、これが単なるねぶた祭りの代替イベントではないからです。

「この取組はもともと、県民や関係者を元気づけたいという精神面のサポートを目的にスタートし、次いで祭りの中止で経済的な被害を受ける関係者への収益確保を念頭にやってきました。しかし何よりも、こうしたオンラインでのイベントに触れることで、実際に青森を訪れたいと思う人をたくさん育むことが重要で、そのためにはリアルと両立できるオンラインならではの楽しみ方を啓発していく必要があるでしょう」(同)

にこいち

 つまり今回のイベントは、さらなるアップデートを重ねながらアフターコロナも続行するサスティナブルな取組とすることが大前提。青森オンライン魅力発信協議会では今回得られた知見と経験を生かし、10月の収穫祭、来年1月の冬祭りを同じくオンラインを活用して盛り上げていく予定です。「とくに収穫祭は、青森の食の多彩さを伝えるのにうってつけの機会。また、県内の縄文遺跡が世界遺産登録されたこともあり、文化的な面の発信にも繋げられれば理想的です」(村松氏)と、今後の広がりが期待されます。

 青森県が目指す、リアルイベントとオンラインイベントの理想的な融合。その行く先を楽しみに見守りましょう。

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最後に…
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