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2.5次元俳優を起用したオンラインツアーのライブ配信により、若年層の観光需要を掘り起こす

大分県別府市では、若年層の観光客が少なく、コロナ禍により観光客が減少傾向にあるという課題があり、本事業を通じて、デジタル技術を活用したオンラインツアー等の取組による課題解決が進められています。

■事業の概要

■世界一の源泉数を誇る別府温泉

 別府温泉や由布院温泉をはじめ、全国的に知られる温泉地をいくつも擁する大分県。しかし、若年層の観光客離れや、昨今のコロナ禍による観光客の減少により、収益も減少しており、どのように集客をするかが課題となっています。

「かつては新婚旅行のメッカとして賑わった大分県の温泉地ですが、短期的にはこのコロナ禍が、そして中長期的には若年層の客離れが課題とされてきました。インバウンドの客足が遠のいてしまった今、なおさらこうした問題が浮き彫りとなり、いかにこの地域に目を向けてもらい、実際に足を運んでいただくかを考えていかなければなりません」

そう語るのは、デジタル技術を活用して新たな収益モデルを創出しようと取り組んでいる、株式会社LiveParkの安藤聖泰氏です。

別府市の調べによると、2019年以前の実績と比較した2020年の機会損失は、宿泊客で約100万人減(約230億円減)、日帰り客で約280万人減(約112億円減)にのぼることが判明し、コロナ禍のダメージの深刻さが窺えます。

しかし、逆の見方をすれば、それだけのポテンシャルを秘めた地域である証しとも言えるでしょう。同じく株式会社LiveParkの清田いちる氏は、別府温泉の魅力を次のように語ります。

「世界に存在する温泉の泉質は、単純温泉や塩化物泉など全部で10種類に分けられますが、別府温泉にはこのうち7種類がそろっています。これは世界的に見ても非常に稀で、別府に来ればいろんな種類のお湯が楽しめることになります。さらに別府温泉は2217箇所という世界一の源泉数と、毎分約8万3000リットルの全国トップの湧出量を誇ります。今後のブランディング次第で客足は必ず伸ばすことができると考えています」

画像:大分県別府市の街並み

■新たな層にアプローチを図り、“ファン化”を促す

 そこで別府温泉を実証実験の場に設定し、オンラインで観光資源を活用する新たな収益化のモデルの構築を目指そうというのが今回の取組です。

具体的には、地域の魅力を伝える温泉番組をテレビ大分で放送したり、インターネット上に地域OTA(※Online Travel Agent。オンライン上の旅行代理店業務のこと)を開設して地域の産品を販売したり、多角的な取組を実施します。
※地域OTA「別府市公式宿泊予約サイト」:https://www.yunotabi.jp/

画像:別府市公式宿泊予約サイト

さらにインタラクティブなオンラインツアーを使った、こんなユニークな企画も――。

「今回の取組では特に、これまで温泉に関心を持っていなかった層にアプローチして、別府温泉のファンになってもらうことを目的としています。そこで人気の2.5次元俳優(※アニメやマンガの世界を題材とした舞台、ミュージカルで活躍する俳優)を起用し、実際に別府温泉で遊んでいただく様子をオンライン配信することで、まずは聖地巡礼の目的地として、別府温泉に来てもらうきっかけ作りを行います」(清田氏)

最初の目的がアニメや2.5次元俳優であっても、合わせて地域の魅力を理解してもらうことでリピート需要を喚起する。言い換えれば、イチオシの俳優を応援する“推し活”を利用して、何度でも大分へ遊びに来てもらおうというのが今回のプロジェクトの大きな特徴です。

図:事業概要イメージ

「この際、我々が独自に開発した『LIVEPARK』というツールを使い、場面ごとに視聴者の方とコミュニケーションをとったり、ゲームをしたり、双方向の交流を図ります。また、『LIVEPARK』では映像の内容に合わせて適宜、商品購入ページへのリンクを表示することができるので、ECによる売上げも期待できます」(同)

画像:『LIVEPARK』によるライブ配信イメージ

何より、そこで得られる購買記録は、今後の貴重なマーケティングデータになります。その意味でも、今回の取組はあくまでファーストステップに過ぎません。

「制作者や出演者が実際に楽しんでいれば、それは必ず映像を通して伝わるはずです。最初は推し活の一環で参加していた視聴者が、配信を一通り楽しんだあとに、“別府温泉いいかも”と、来訪意欲が自然に育まれているようなコンテンツ作りをするつもりですので、楽しみにしていてください」(同)

※本取組では、地域への来訪推進と消費拡大及び有効なデータ収集を目的に実施する、大分県内ほぼ全ての市町村が参画するスタンプラリー「ジモタビラリー2022」を2022年8月15日より実施しています。これは、コンソーシアムメンバーのテレビ大分が、昨年度、紙のスタンプ台帳で行いましたが、今年度は既存の「TOSオンラインアプリ」をユーザーがダウンロードして参加するデジタルスタンプラリーとしてスタート。こちらもぜひチェックしてみてください!
特設サイトURL:https://www.tostv.jp/jimotabirally

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本事業の公式Webサイトでは、他にも各地域で取り組まれている事例を順次掲載しています。
こちらもぜひご覧ください!
【観光DX事業公式Webサイト】https://kanko-dx.jp/
【観光DX事業公式Twitterアカウント】https://twitter.com/digitalxproject
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